白ちゃんの旅ノート

世界各地の搭乗記を中心に、飛行機や空港に関することを紹介しています。

白ちゃんの搭乗記 vol.27 ノックスクート145便 新千歳→バンコク(ドンムアン)

 

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※写真の機材は、今回搭乗したものとは異なります。

※2023年現在この会社は解散しています。

フライト情報

航空会社:ノックスクート

便名:XW145

区間:CTS(札幌/新千歳空港)→DMK(バンコク/ドンムアン国際空港)

機材:777-200ER(HS-XBE)

利用日:2020/2/22

 

 

1.はじめに

ノックスクートは、2014年に運航を開始したタイのLCCです。日本には2018年より就航しており、2020年3月現在、バンコク(ドンムアン)-成田、ドンムアン-関空、ドンムアン-新千歳の3つの日本路線を運航しています。

日本-タイ間には現在タイエアアジアX、タイ・ライオンエア、スクートなど数々のLCC航空会社が就航している中でも、ノックスクートは比較的安く利用できる航空会社としても知られており、東京-バンコク往復の航空券が2万円台で売られていることも珍しくありません。今回は、そんなノックスクートの日本発着路線から、最も日本人が乗らないであろう新千歳線の搭乗記です。

 

2.航空券の購入方法

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今回も、航空会社公式ホームページ(https://www.nokscoot.com/jp/)から購入しました。

ノックスクートのページはシステムにバグがあるためか、「戻る」ボタンを押しても一つ前のページに戻らないことがあります。そのため、搭乗者の名前登録などの操作は、注意深く行う必要があります。

 

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出発地点と到着地点を入力し、運賃を選択します。ノックスクートのエコノミークラスの運賃は、機内持ち込み荷物のみの「Fly」、機内持ち込み荷物と預け入れ荷物の料金が入った「Flybag」、機内持ち込み荷物、預け入れ荷物、機内食と飲み物の運賃が入った「FlyBagEat」の3種類があります。機内持ち込み荷物のみの運賃と全てのオプションが入った運賃しか表示されないLCCもある中、ノックスクートの運賃設定は利用者の利便性が考えられており、素晴らしいと思います。

 

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搭乗者の名前の入力し、オプションの選択に移ります。預け入れ荷物の優先受け取りは700円、預け入れ荷物の追加は3200円から、食事類は600円からとなっており、良心的な価格になっていると思います。

 

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続いて座席指定に移ります。ノックスクートのエコノミーの座席は非常口ドア前の「ストレッチ・シート」(いわゆるバルク席と呼ばれているものです。)、普通の座席よりも広い間隔の「スーパー・シート」、それ以外の「スタンダード・シート」の3種類が設定されています。「ストレッチ・シート」の指定料金は3100円から、「スーパー・シート」の指定料金は1800円から、「スタンダード・シート」の指定料金は1200円からとなっています。座席指定料金は他のLCCよりも高めの設定となっていますが、ノックスクートの運航便は中距離路線であることを考えると、妥当な価格であると思います。

ノックスクートは大型機での運航ですので、座席指定をしておかないと窓側、もしくは通路側に座れる可能性が低くなります。窓側・通路側、グループで利用する際には座席指定をしておくことをお勧めします。


3.搭乗記 

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出発地点は、新千歳空港の国際線ターミナルです。ノックスクートではwebチェックインができないので、カウンターに向かう必要があります。搭乗した日のノックスクートのカウンターは国際線ターミナルの一番端、Dカウンターです。Dカウンターは新千歳空港の国内線ターミナルにある新千歳空港駅からは最も遠く、歩いて10分ほどかかります。駅からカウンターまでこれほど歩く空港もなかなかありません。

チェックイン開始時間を1時間ほど過ぎていたためか、カウンターにはほとんど人がいません。カウンターでは、帰りの航空券の提示を求められた以外は特に問題もなくチェックイン。荷物の軽量もありませんでした。今回持って行った荷物はリュックサック1つだけだったので、測るまでもないと判断されたのかもしれません。

 

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搭乗券を手に入れ、出発口へと向かいます。私が制限エリアに入ろうとしたとき、ノックスクートのCAさんがやってきました。新型コロナウイルスの影響で、全員マスクをしています。飛行機という狭い空間に長時間いなければならないCAさんですから、対策もしっかりと行われています。

 

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保安検査場、出国手続きを終えて制限エリアの中に入ります。新千歳空港は、インバウンド向けの便が多数設定されていますが、中国行きの便は先日搭乗した吉祥航空のHO1382便(白ちゃんの搭乗記 vol.24.1 吉祥航空1382便 新千歳→上海→ヘルシンキ(前編) - 白ちゃんの旅ノート)をはじめとして、「欠航」の文字が並んでいます。

 

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制限エリア内の飲食店で昼食を取ることにします。今回利用したのはラーメン屋、「福籠」。制限エリア外の店よりは価格は若干高いですが、保安検査場を抜けたあとの食事は安心感が違います。

 

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食事を終え、搭乗口へと向かいます。ノックスクートの777-200ERは、エコノミークラス391席、ScootBiz(ビジネスクラス相当)が24席の415席仕様となっています。これはANA国内線仕様機材の777-200ERのキャパシティー(405席仕様:プレミアムクラス21席、普通席384席)と同等です。 

ノックスクートの機体には鳥の顔があしらわれています。このデザインは、親会社であるノックエアのイメージと共通しています。(ノックエアの搭乗記はこちらです。白ちゃんの搭乗記 vol.4 ノックエア8317便 チェンマイ→バンコク/ドムンアン - 白ちゃんの旅ノート)

 

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 搭乗した日のXW145便は、65番ゲートからの出発です。搭乗開始時刻は14:10からとのことでしたが、実際に搭乗が始まったのは15分遅れでした。大型機での運航とあって、搭乗口の前にも長蛇の列が形成されます。自分は通路側の座席を指定されたため、最後のほうに搭乗しました。

 

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機内へと入ります。今回搭乗するのはHS-XBE、2002年登録の機体です。この機体はもともとシンガポール航空で運用されていたもので、2018年からノックスクートで活躍しています。新造機が使われることも多いLCCの機体ですが、全て中古機で運航されているのもノックスクートの特徴です。

今回利用するのは「スタンダード・シート」になります。スタンダード・シートは青地のシートとなっています。ノックスクートの座席は他のLCCで使用されているものと違い、肉厚となっていることが特徴です。そのため、自分の座席の後ろから振動が伝わりにくくなっています。長時間のフライトとなる中距離線において、この座席は嬉しい限りです。

 

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LCCらしく、座席背面にはシートテーブルのみが設置されています。シートテーブルにはドリンクホルダーが設置されているのもこの座席の特徴です。座席下部にある太い梁が足に当たりますが、シートピッチも日本のFSC国内線並みにあります。バンコクまでならギリギリ耐えられそうな設備です。

 

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座席のレッグレストの横には、機内の照明とCAさんの呼び出しボタンがあります。押しやすい位置にある反面、気づかないうちに押していたということもありうるので注意が必要です。

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飛行機は搭乗客を乗せ、ドアが閉められます。飛行機はRWY19Rから離陸。南西に向かっていきます。

 

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離陸して間もなく、機内販売が始まります。ノックスクートの機内販売は「nokscoot cafe」と呼ばれています。LCCの機内食といえば高いイメージがありますが、ノックスクートは200バーツ(約700円)から機内食を提供しており、比較的安い印象を持ちます。

 

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機内販売が終わり、飛行機は消灯します。ちなみに搭乗したXW145便のブロックタイムは7時間40分です。しかも日本発の便は昼行便となっており、眠気の来ない機内で長い時間を過ごさなければなりません。タイ発のLCCに搭乗する際は、スマホにドラマやアニメなどのコンテンツをダウンロードしておくことを強くお勧めします。

 

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離陸してから4時間、ようやく日が暮れてきました。FSCなら機内エンターテイメントで現在地が確認できますが、LCCなのでそのようなこともできません。

 

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日が暮れてからさらに3時間、飛行機はやっとタイ上空に差し掛かります。この日のXW145便はドンムアン国際空港のRWY21Rに着陸。駐機場へと向かいます。

シートベルト着用サインが消灯し、降機が始まります。やはり大型機での運航とあって、機内へ出るのも時間が掛かります。今回到着した駐機場は入国審査場から離れていました。200mほど歩きます。

 

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入国審査の前には、新型コロナウイルスの影響で検温がありました。しかし検温は非常に簡易的なもので、通路に置かれているサーモグラフィーを係員が見ているだけという状態です。この方法でコロナウイルスの人を見分けられるかは甚だ疑問です...

入国審査では日本から来たにも関わらずコロナウイルス関係の質問は一切ありませんでした。入国スタンプを押してもらい、空港の到着口へと向かいます。

 

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 普段なら日本線に加え中国線でもにぎわうドンムアン空港ですが、中国からの便は軒並みキャンセル。新型コロナウイルスの影響をひしひしと感じました。

 

4.まとめ

バンコクへ行く最安手段の一つであるノックスクートでしたが、座席間隔はFSCの国際線のものよりも狭いものの、シートは肉厚で中距離の移動には適していると感じました。

国内旅行並みの予算でバンコクに行きたいという方にとっては、おススメできる航空会社だと思います。