AIR DOの就航当初から活躍し、会社の歴史とともに歩んできた767の初号機が1月20日に引退しました。
ラストフライトとなったのは、新千歳発羽田行きのHD20便。
たくさんのAIR DO関係者、航空ファンに見送られながら、飛行機は最後の花道を飾りました。
今回は、感動のAIRD初号機ラストフライトの模様をお届けします。
航空会社:AIR DO
便名:HD20便
区間:CTS(札幌/新千歳空港)→HND(東京/東京国際空港(羽田))
機材:767-300ER(JA98AD)
利用日:2021/1/20
1.はじめに
「東京-北海道の航空券を安い価格で提供したい!」との理念で生まれたAIR DO。
しかしその道程は平坦ではなく、安価な航空券で参入したものの当時の大手3社(JAL/ANA/JAS)も値下げを実施。その結果競争力は低下し、2002年に一度経営破綻しています。
その後はANAが再建のスポンサーとなり、今ではコードシェアまで行われるようになりました。
就航から破綻、さらには再生へという歴史をたどってきたAIR DOですが、機材は一貫して767が使用されていました。今回退役することになったJA98ADもその一つです。
この機材はもともとリース会社から調達され、その後AIR DOが購入して自社機として運航されています。
内装のリニューアルは行われていないようなので、就航当初の座席がそのまま使われているということになります。
20年前から変わっていない座席に乗れるということで、私はワクワクしながら空港へ向かいました。
2.搭乗記
出発地点は新千歳空港。
空港自体は平日の昼間ということもあって閑散としています。
チェックインカウンターはいつもと変わりません。
保安検査場を抜け、ロビーへと進みます。
AIRDOの人と報道陣の方が打ち合わせをしていました。
11時45分、本日の主役であるJA98ADが新千歳空港に到着します。
通いなれた新千歳空港にお客さんを載せて到着するのも、これが最後です。
出発の15分前になり、横断幕を持ったAIRDO社員とキャラクター「ベアドゥ」が搭乗口の前に集まります。
このような光景が見られるのも、ラストフライトならではです。
AIRDOの社長からの挨拶があり、搭乗が始まります。
ボーディングブリッジのところにはAIRDO社員からのメッセージとモデルプレーン、初代「ベアドゥ」のぬいぐるみが展示されていました。
初代の「ベアドゥ」は現在とイメージがだいぶ異なります。
機内へと入ります。
1998年製の期待とあって、最新機材と雰囲気がだいぶ異なります。
座席はの機材よりも肉厚で、がっちりしている印象を受けます。
座面も高く、脚が地面につかないといった人もいるかもしれません。
オーバーヘッドキャビンの収容力も小さく、満席時だと全員の荷物を入れるのも一苦労です。
荷物が多いお客さんが現れたとき、CAはだいぶ苦労したと思います。
今回のラストフライトでは、就航当初の搭乗券を模した搭乗証明書が配布されました。
ちょっとしたプレゼントですが、もらえると嬉しいです。
乗客130名を乗せたJA98ADはプッシュバックを開始し、滑走路へと向かいます。
機内前方にあるプロジェクターで機内安全ビデオが流されます。
オーバーヘッドキャビンのところに画面がないのも、JA98ADの特徴です。
12時33分、ADO20便はRWY01Lから離陸します。
雪に覆われた北の大地をあとにし、飛行機は南へと向かいます。
離陸から20分、ドリンクサービスの時間です。
AIRDOの初代制服「サロペット」を着用したCAさんがドリンクを配布しています。
今回私はアップルジュースを注文しました。
通常AIRDOのフライトではベアドゥが描かれたコップで提供されますが、今回は北海道ぎょれんの広告入りコップでの提供となりました。
飛行機は徐々に高度を下げ、関東平野へと入ってきます。
成田空港が見えてきました。
13時53分、ADO20便は羽田空港RWY34Rに着陸。
到着スポットの隣では、「ベア・ドゥ北海道ジェット」、JA602Aが駐機していました。
これからのAIRDOの輸送は、これらの機材によって引き継がれて行きます。
機体を降りるとAIRDO社員とベアドゥがお出迎えしてくれました。
多くのお客さんを乗せて東京と北海道を往復してきたJA98AD。
長年の活躍お疲れさまでした!
3.まとめ
AIRDO初号機のラストフライトの模様をお伝えしました。
AIRDOの歴史を感じるとともに、JA98ADが色々な人から愛されていたことがわかるフライトでした。
JA98ADは1月下旬に離日しますが、これからもAIRDO初号機は我々の心の中を飛び続けるでしょう。
AIR DO737の搭乗記はこちら