白ちゃんの旅ノート

世界各地の搭乗記を中心に、飛行機や空港に関することを紹介しています。

バブル時代の夢がみられる! ~辻堂海浜公園 交通展示館訪問記(航空コーナー編)~

30年も展示内容が変わってない交通展示館を訪問します。

そこには「バブル時代に描いた未来の夢」がたくさんつまっていました。

 

 

 

 

1.辻堂海浜公園 交通展示館とは?

辻堂海浜公園 交通展示館は、藤沢市にある交通に関する解説を行う展示館です。バブル時代の1991年に開館しました。

展示内容は1990年代の航空・鉄道・道路・船舶などの現在と未来の姿を解説するというもの。

開館して以来30年ほどたつものの、展示内容はほとんどリニューアルされていません。

そのためここの施設を2023年にここを訪問すると、「あれ?」と思わせる展示内容が数多くあります。

 

この施設の更新されていない展示内容は新聞でも話題となり、地元の神奈川新聞にも取り上げられるほどです。

藤沢・辻堂の交通展示館 「未来」志向も…年代物ばかり? 追う!マイ・カナガワ | カナロコ by 神奈川新聞

この記事の末尾では「レトロというほど古くはないが、30年前に構想したリニアモーターカーの展示パネルなどは、今となっては貴重なものかもしれない。」と締めくくられていますが、20代後半の当サイト管理人からすると、超がつくほどレトロです。

 

2.超がつくほどレトロな展示内容

館内の展示内容を見てみましょう。

館内は「空のゾーン」「海のゾーン」「陸のゾーン」の3つに分かれており、どこも突っ込みどころ満載なのですが、今回は当ブログの専門である「空のゾーン」の解説をしていきます。

まず目に着くのは空港のパネル。

空港の形状から成田空港とわかるのですが、旅好きな人なら違和感を抱くと思います。

なんと北半分が描かれていません。

 

この図に描かれていない北側のB滑走路の供用開始は2002年。

この展示館の開業は1991年ですから、当然描かれていません。

 

そしてもう一つ描かれていない大きな施設は第2ターミナル。こちらも1992年の供用開始なので描かれていないのですね。

 

第1ターミナルしか描かれていない空港のパネル、歴史的な資料としての価値が出始めてる気がします...

 

パネルの下には解説の冊子が置かれており、入場者が自由にめくることができます。

そのうちの一つ「世界を結ぶ航空網」。

1990年代の航空ネットワークが描かれています。

 

旅客便で目立つのはアメリカ線。直行便もありますが、アンカレッジ経由便が多数設定されているのがわかります。

アメリカ線が経由便だった時代、アンカレッジの空港には日本人向けの蕎麦屋があったとの話を聞きますが、まさにその時代に作られた紹介パネルです。

 

成田-バンコク-デリー-バーレン-クウェート-カイロ-アテネ線も描かれており、見れば見るほど味わい深い地図です。

 

この冊子には面白いページがもう一つ。成田空港で見られる航空会社の垂直尾翼が描かれています。

巨大な会社しか国際線を運航できなかった時代ですから、ほとんどの会社が2023年現在も存在するのですが、なかにはもう存在しない会社も書かれています。

「アエロフロートソ連航空」「ノースウェスト航空」「UTAフランス航空」...

 

このページの表題には「君はいくつ知ってるかな。」と書かれていますが、今の子供たちがこの会社を知っていたら怖いですよ...

 

パネルの前にはテレビも設置されており、映像で空港の施設を見ることができます。

(写真は鉄道コーナーのものですが、航空コーナーも同様のテレビが設置。)

 

ビデオの内容も30年更新されておらず、羽田空港の沖合展開前の旧ターミナルビルの様子が映ります。

 

ちなみにこのビデオの案内役は写真で写っている2体のロボット。

明らかにスターウォーズを意識しています...

 

最後のパネルにはこう書かれています。

「音よりも速いコンコルドという超音速ジェット旅客機が実用化しているが、さらに速い飛行機が開発され、今の地球の子供たちが大人になる頃には、世界中どこでも日帰りができるかもしれないという。」

来ることがないことが書かれているパネル、なんとも言えない気持ちになります...

 

3.まとめ

辻堂海浜公園 交通展示館訪問記をお届けしました。

拡張前の成田空港、コンコルドが中心となった世界の空...

この場所には、バブル全盛期である30年前の様子とその当時の夢がつまった未来が展示されています。

航空コーナーのほかにも海のコーナー、陸のコーナーにも面白いものが展示されています。

バブル時代の未来を求めて、交通展示館に行ってみるのはいかがでしょうか。