このコーナーでは、世界各地に保存されている航空機を紹介していきたいと思います。第1弾は、パリのル・ブルジェ航空宇宙博物館に保存されている747です。
1.ル・ブルジェ航空宇宙博物館とは
ル・ブルジェ航空博物館は、パリ郊外のル・ブルジェ地区に位置する博物館です。第二次世界大戦中に活躍した軍用機から戦後活躍した旅客機まで、実に様々な機体が展示されています。宇宙関連の展示も充実しており、飛行機・宇宙好きにはたまらない施設となっています。
2.アクセス方法
ル・ブルジェ航空宇宙博物館を訪問する際には、市内中心部から出ている350番バスを利用するのが一般的のようですが、私が訪問した日は運が悪かったのか、パリ東駅でバスを待ってもなかなか来ません。そこで今回はパリメトロ7号線でLa Courneuve - 8 Mai 1945駅に行き、そこから歩くことにしました。駅から博物館までは3.5kmほど。歩いていけない距離でもありません。
3.入場料
入場料は、以下の通りになっています。
26歳以上:€16
25歳未満:無料(※747、コンコルドへの入場は19-25歳:€8、4-18歳:€6が必要)
4.展示内容
ル・ブルジェ航空宇宙博物館の展示物は多岐にわたります。月面着陸や軍用機、ヘリコプターに関するコーナーもあり、展示内容は非常に濃いです。
5.博物館に展示されている747
ル・ブルジェ航空宇宙博物館に展示されているのは、747-100(F-BPVJ)です。この機体は、1982年に登録されたあと、エールフランス航空で活躍していたものになります。
保存機を側面から見てみます。飛行機をこれほど近くで眺められる機会はそれほどありません。客室部分はもちろんですが、貨物ドアの大きさにも圧倒されます。
ル・ブルジェ航空宇宙博物館では、エンジンも間近で見ることができます。巨大なエンジンは、非常に見応えがあります。
中に入ってみます。この機体は一部座席が取られており、747の大きさや構造を実感できるようになっています。
特徴的な螺旋構造の階段を昇り、アッパーデッキへと向かいます。
デッキを昇ると、コックピットを見ることができます。当たり前ですが、この機体が作られた当時はグラスコックピットではありません。操縦には、機長、副機長の他、航空機関士が必要です。クルーの座る席には、計器がずらりと並んでいます。
アッパーデッキの客室部分には、ラウンジが設置されています。利用客にとってこのラウンジは使い勝手がよく、窮屈な機内での時間を快適なものにしてくれたでしょう。
アッパーデッキの真下には、ビジネスクラスの座席が配置されています。先頭に向かって狭くなる客室の構造は、747独自のものとなっています。
ビジネスクラスの座席を前から眺めてみます。今でこそフルフラットのビジネスクラスシートは当たり前となっていますが、この機体のビジネスクラスは、JALのクラスJのような座席でした。座り心地は良さそうですが、この座席で寝るのは厳しいかもしれません。
続いて、エコノミークラスの座席を見てみます。エコノミークラスの座席は3-4-3となっています。ヘッドレストもついており、現在使用されている飛行機の座席と比較しても、遜色のないように感じられます。
ギャレーを見てみます。ギャレーの周りの設計も、現在とあまり変わっていない印象を受けます。
メインデッキには747に関するパネルが設置されています。残念ながら英語での表記はなく、なにが書いてあるか分かりません...
機体後方には、飛行機の構造が見られるように内装が剥がされている区画があります。飛行機の構造を間近で見られる貴重な展示です。
貨物室の区画には、車が展示されていました。大きな荷物を搭載できるのは、747の大きな利点と言えます。
6.まとめ
なかなか目にすることができない747の展示ですが、ル・ブルジェ航空宇宙博物館の保存機は状態もよく、展示内容も充実していました。ただ内部を保存するだけでなく、機体の構造までわかるような展示も素晴らしかったです。みなさんも、パリに行く機会があればぜひル・ブルジェ航空宇宙博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。
なお、ル・ブルジェ航空宇宙博物館には音速旅客機コンコルドも展示されています。それは別記事にて紹介したいと思います。コンコルドの記事はこちら
【おまけ】
今回紹介した747の隣には、A380が置かれています。こちらは中に入ることはできませんが、A380の大きさを実感することができます。 いつかこちらのA380にも入れるといいですね。