保存機巡りの第2回になります。今回も引き続きル・ブルジェ航空宇宙博物館を紹介していきます。前回の記事はこちらをご覧ください。
1.ル・ブルジェ航空宇宙博物館に展示されているコンコルド
パリ郊外にあるル・ブルジェ航空宇宙博物館には、コンコルドが2機保存されています。収蔵されている機体は、試作機、量産機の2種類あり、下図のように展示されています。見学者は、機体前方の通路を通って試作機から量産機へと行くことができるようになっています。
2.コンコルド(試験機)訪問記
見学通路に入る前に、機体の全景を眺めてみます。こちらの試作機(F-WTSS)は、1967年に登録され、各種試験に使用された後、1973年に登録抹消となった機体です。量産機と比較すると、コックピットに丸みがあります。
機体へと入ります。試験機らしく、機体の中にはたくさんの配線がむき出しとなっています。
通常客室となっているスペースにも、機器がびっしりと埋まっています。
コックピットを覗いて見ます。先頭部が尖っているだけあって、窮屈な印象を受けます。
3.コンコルド(商業機)訪問記
通路を渡って、量産機へと移ります。こちらはF-BTSDとして登録されていた機体です。1978年登録に登録され、エールフランス航空で運用されていました。
コックピットを覗いて見ます。量産機では、コックピットの機器配置にも改良が加えられているようです。
続いて、客室内へと入って行きます。2+2の座席配置となっていました。小型機のような座席が特徴的です。
機体後方へ向かうと、現役当時を彷彿とさせる区画があります。座席にはヘッドカバーが取り付けられ、床にも装飾が施されています。現役当時、コンコルドで運行される便は全席ビジネスクラス相当の運賃となっていました。超音速で運航するとはいえ、利用者は小型機のような座席に高い運賃を払っていたのですね...
機外へと出て、再び全景を見てみます。エンジン部分には時折照明が灯り、エンジンが稼働しているようにみせる仕掛けがあります。
4.まとめ
夢の超音速旅客機として開発されたコンコルドでしたが、2000年に起きた墜落事故や同時多発テロの影響を受け、2003年に全機退役しています。
コンコルドの退役以来、超音速旅客機に乗ることはできませんが、現在アメリカのBoom社が超音速機の開発に取り組んでいます。Boom社の計画がうまく行けば、超音速旅客機に再び乗れる日が来るかもしれません。
おまけ
コンコルドは超音速旅客機としてのインパクトが強かったためか、多くの機体が保存されています。写真はニューヨークのイントレピッド海上航空宇宙博物館に保存されているコンコルド(G-BOAD)です。こちらは1976年に登録され、ブリティッシュ・エアウェイズで運用されていました。
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