2016年9月14日 フアランポーン(バンコク)駅にて
タイ国鉄のブルートレイン客車の乗車記後編です。
夜行列車の中で一夜を明かし、ブルートレイン客車に乗ってチェンマイを目指します。
前編はこちら
乗車記
ガタゴト揺れる寝台客車の中で起床します。
日本ではもうできない寝台車の中で起きるという経験は、何度味わっても特別なものです。
ちなみにタイ国鉄の2段寝台には窓がついていません。
これでは風景が楽しめないので、ブルートレイン客車に移動します。
昨日と同じように、通路にある椅子に腰掛けて風景を眺めます。
列車は山間部に突入。山を縫うように進みます。
荒涼とした山肌を映す車窓は日本ではみられないもの。
これぞ海外の鉄道旅の醍醐味です。
自分が座っていた椅子の反対側にある寝台区画はもう使われていません。
昨日訪れたときは、すべての下段寝台のカーテンが閉じられていたのでここのお客さんは途中で降りたのでしょう。
すると車掌さんが私に
「寝台区画で座っていいよ」と言ってくれました。
お礼の言葉を述べ、堂々と寝台に座ります。
寝台の生地は革張りになっているものの、車内の雰囲気は日本時代と変わりません。
上を見上げてみます。
丸形の照明、上段から落ちないようにあるベルト...
こちらも日本時代から変わっていないようです。
日もだいぶ高くなりましたが、この列車はまだまだ着きません。
どうやら列車は1時間ほど遅れている様子。
遅れのアナウンスがないところがタイらしいです。
列車はゆっくりと高度を上げていきます。
右に見えるはしごを収納したり、格納したりして遊んでいました。
途中の駅に停車。
車内販売に来たおばちゃんからジュースを買います。
タイ国鉄では列車の停車中に地元の人が車内に乗り込み、おやつやジュース、弁当を売ってくれます。
日本にはなかなかないサービスですが、ここで買い物をすると現地の人とコミュニケーションが取れて面白いんですよね。
列車は終点チェンマイに近づくにつれ、スピードを上げて行きます。
ブルートレインの旅も、もうすぐ終了です。
定刻から遅れること1時間あまり、51レはチェンマイに到着します。
ブルートレイン客車は編成の端に連結されていました。
寝台特急で使われていた客車だけに、風格を感じます。
駅に到着するなり係員の人が乗り込み、列車からブランケットを放り出していました。
ブルートレイン客車を違う角度で。
ところどころ手を加えられていますが、原型をよく保っています。
ブルートレインに別れを告げ、チェンマイの駅の外に出ました。
チェンマイの駅と市街地は少し離れています。
駅そばに停まっていたトゥクトゥクを捕まえ、駅をあとにしました。