好評(?)の保存機の紹介記事、第3段はDC-10を取り上げます。
1.DC-10とは
DC-10はダグラス社(→マクドネル・ダグラス社→現ボーイング社)が開発した中長距離旅客機・貨物機で、446機が生産されました。
垂直尾翼にあるエンジンが特徴的な機体で、今でも多くの航空ファンを魅了しています。
旅客機としての運用は2014年に終了し、2021年現在では貨物型のみが運用されています。
今回は、そんなDC-10の保存機について紹介していきます。
2.保存機紹介
2.1ガーナ La Tante DC 10 Restaurant 9G-ANB
La Tante DC10 Restaurant, aka The Green Plane. Restaurant is an actual ex Ghana Airways McDonnell Douglas DC-10 which operated between 1983 - 2005 #AvGeek pic.twitter.com/ajwJwXUZ9f
— AeroSkippah (@AeroSkippah) 2019年4月27日
最初に紹介するのは、ガーナの首都アクラにある9G-ANBです。
この機体は元々タイ国際航空でHS-TGDとして登録された機体で、成田や伊丹にも飛来しています。
その後スカンジナビア航空やマレーシア航空で使用されたあと、1999年にガーナ航空に移籍しています。
移籍後は2003年ころまで使用されていたのがわかりますが、それ以降の動向は不明です。
退役後はアクラの空港近くでレストランとして使用されています。
座席の一部はレストランで椅子として利用されているようです。
この場所の地図
実際に訪れた方のブログはこちら
街のど真ん中に不時着!?ガーナ・アクラの飛行機レストラン | ガーナ | LINEトラベルjp 旅行ガイド
2.2 アメリカ ピマ航空博物館 N220AU
The beautiful Orbis Flying Eye Hospital DC-10 N220AU at Pima Air and Space. pic.twitter.com/59IwhColzC
— Boneyard Safari (@Boneyardsafari) 2021年5月9日
アメリカのピマ航空博物館には、プロジェクトオルビスで活躍したDC-10が活躍しています。
プロジェクトオルビスとは、世界中が一つになって失明予防に取り組むという活動で、この機体では医師や看護師のトレーニングできるそうです。
(出典:第三世代の「オービス空飛ぶ眼科病院」が香港を初訪問)
この機体は1991年から2016年までプロジェクトオルビスで活躍していたものになります。
この場所の地図はこちら
2.3 キューバ ハバナ F-GTLY
Et dans un coin, le F-GTLY, ancien DC10 d’Air Lib’ 😐 pic.twitter.com/VnUOLhG3UB
— Lustu (@Lustublog) 2018年11月9日
キューバのハバナにもDC-10があります。
この機体は1976年にニュージーランド航空に納入され、その後ラン航空やスカンジナビア航空を渡り歩いたあと、2003年頃に引退している機体となります。
訓練用として空港に留め置かれているようですが、外装はだいぶボロボロです。
この場所の地図
2.4 イギリス モナーク航空 G-DMCA
Nose Section of a DC-10 at MANs Runway Visitor Park. #avgeek #dc10 #manchesterairport #runwayvisitorpark #monarch pic.twitter.com/O1PW2BwhNx
— ✈️ Dan Hannington ✈️ (@D4N_A1R) 2015年4月4日
日本から最も行きやすいDC-10かもしれません。イギリスのマンチェスターにあります。
この機体はザンビアエアウェイズとモナーク航空で活躍したもので、2001年に退役しています。
機内は常に空いているわけではないものの、公開されることもあるようです。
Year 2 are at the Runway Visitor Park at Manchester Airport! #travel #transport #airtravel #STEM pic.twitter.com/XKQSSltllA
— BeaumontYear2 (@BeaumontYear2) 2020年1月29日
この場所の地図
2.5 インドネシア Z-AVT
Everyone: Bali on New Year’s Day? Beach!
— Today’s Flight (@TodaysFlight) 2020年1月1日
Avgeek: Bali on New Year’s Day? Planespotting!
Managed to visit 3 abandoned planes today: Mandala Airlines #B732 PK-RII, Sirwijaya Air #B733 PK-CKM and Avient #DC10 Z-AVT. #avgeek #planespotting #aviation #Bali pic.twitter.com/2NPqx12o5X
こちらも一部のみ展示されているケース。
インドネシアのバリ島にあります。ナイトクラブの屋上にあるそうです。
この機体は1979年にブリティッシュ・カレドニアン航空に登録されたもので、その後にコンチネンタル航空、DASエア・カーゴと渡り歩いて最後はジンバブエの航空会社、アビエント・アビエーションで退役しています。
建物の屋上、しかも垂直尾翼部分のみが残っている不思議な機体です。
この場所の地図
番外編
最後の現役機① N330AU
Noble cause - Few Glimpses of 'Orbis flying eye hospital' MD-10-30F (N330AU).
— FL360aero (@fl360aero) 2021年2月28日
In 2008, FedEx had donated the MD-10 #aircraft that took almost 6 years to convert it into the Flying Eye Hospital.
Earlier to this, there were two more ,the DC-8 (N110AU) & the DC-10(N220AU).#AvGeek pic.twitter.com/4M2XE8LNys
2.2で紹介したプロジェクトオルビスのN220AUの後継機は、なんとまだ飛行しています。
この機体は トランス・インターナショナル・エアラインズに1973年に導入され、その後トランスアメリカ・エアラインズやフェデックスで使用されました。その後2011年にプロジェクトオルビスが導入、機内を眼科仕様に改装して現在でも使用しています。
日本には2019年に飛来したことがあり、航空ファンをわかせました。
最後の現役機②FeDexのDC-10
FexEx Express MD-10-10F N368FE "Cindy" arriving @INDairport Sept 2019 photo credit #Giambone delivered Dec 1971 to @united retired by @FedEx Feb 2020 #AvGeek #DC10 #FDX #IND @DC10sForever pic.twitter.com/WivZzpHfSt
— Nick Hoffmann (@n194at) 2020年6月23日
アメリカの貨物航空会社、FeDexでは今でもなおDC-10が活躍しています。
日本に定期的に飛来するMD-11と違い、運用されているのは主にアメリカ国内が中心のようですが、ぜひとも見てみたい機材です。
そのほかにもアメリカやボリビアで貨物機として用いられているDC-10があるようです。
#オレンジデー
— キャスバル (@ayu3_BLUE) 2021年4月15日
昨日4/14ってオレンジデーだったんだ
10 Tanker Air Carrie
Tanker 912
DC-10-30 N522AX (元JA8550)#DC10 pic.twitter.com/6beZ5mOH9K
その中でもJASでJA8550として活躍したN522AXは、森林火災時に用いられる消防機に改造され活躍しています。
日本で活躍した機体が今なお稼働しているのは嬉しいですね。
まとめ
DC-10の保存機について紹介してきました。
行きづらい場所にばかり保存されているDC-10ですが、中長距離旅客便で活躍した名機をこの目で一度は見てみたいものです。
以前書いた保存機シリーズはこちら